副鼻腔炎(ちくのう)の治療について
Q. 副鼻腔炎の治療について教えてください。
A. 鼻かぜが悪化しておこる『急性副鼻腔炎』は、多くの場合抗生剤等の薬物治療によって、長くても1か月ほどで治ります。しかし、時折なかなか治らない例に遭遇することがあります。その中でも3ヶ月以上症状が続いている場合を『慢性副鼻腔炎』と言います。慢性副鼻腔炎に対してはマクロライド療法(マクロライド系抗生剤を常用量の半量で数ヶ月内服する薬物療法)が標準的な治療です。主に好中球(白血球の一種)が原因の炎症であればマクロライド療法が有効ですが、最近は好酸球が原因である『好酸球性副鼻腔炎』が増加してきており難治例も多く見られるようになりました。この疾患は厚生労働省で難病に指定されており、ステロイド投与や手術である程度落ち着きますが、繰り返しやすく、継続的な治療が必要です。これら以外にも、『歯性上顎洞炎』(歯のバイ菌が副鼻腔に入り炎症を来す疾患)や『副鼻腔真菌症』(カビが原因で副鼻腔の炎症を起こす疾患)があり、それぞれ歯科での治療や手術でカビを取り除くなどの治療が必要となります。疾患の鑑別にはCT検査が有用で、当院ではCTにて歯性上顎洞炎や副鼻腔真菌症の疑いがある場合、対応可能な歯科や総合病院を紹介させて頂いております。